私が若かりし頃に発症していた病気のひとつに『お嬢さま志向』がございました。
発症中は女性としての気品を身に着けることに励んでおりました。
趣味はと聞かれたら「お茶とお花を少々…」とか答えたいと思っていました。
いわゆる中二病の一種なのかもしれなかったです。笑
今回は、お嬢様といえば『茶道』と思っていたことろお話です。
お抹茶との出会い
お嬢様志向中の私はお茶を習いたい!と思っておりました。
三流階級に身を置いていたため、そのような習い事に触れる機会はございませんでした。
でも興味はあるし出来ることなら嗜みたい!!
そんなおり、当時お勤めしていた職場に茶道教室に通っている人を発見致しました。
興味があることをお話したら体験に来てみてはどうですかとお誘いを受けました。ハッピー!
そしてこのお教室での体験がお抹茶と和菓子に対するイメージがガラリと音を立てて変わりました。
≪体験前のイメージ≫
お抹茶⇒苦いお茶
和菓子⇒あまい地味な御菓子
≪体験後のイメージ≫
お抹茶⇒美味しいもの
和菓子⇒上品な甘さの美しいく美味しいお菓子
今まで誤解していて本当にごめんなさい!!!と思いました。
羊羹と薄茶
お教室では最初に薄茶と栗蒸し羊羹と薄茶を出して頂きました。
私は餡子があまり好きではなく、『ヨウカンかぁ』とテンション下がり気味でした。
お作法もよくわからないので、お友達の真似をしてにじり寄って掛軸をみたりお花を見たり。
先にお菓子を出されて、教えて貰いながら羊羹を切り分けて自分の分を取りました。
先生はその間に亭主としてお茶を点てて下さいます。
スーパー不器用な私は羊羹を上手く取り分けられず、ぐちゃくちゃにしながらなんとかお皿に乗せました。
そんな私を優しく指導してくださった先生、本当にありがとうございます。
ようやく私のお皿に乗った栗蒸し羊羹、口にしてみると…私の知っている羊羹とは別人。
栗の香りが際立ち羊羹はほんのり上品に甘い。なんとも美味。
思わず「美味しー!!」と叫んでしまいました。
すると、こういう時は「おいしゅうございます」とおっしゃる方が良いですよと。
あら、お恥ずかしい。笑
でもビックリした。何が違うのか全く分からないけど、今まで口にしたことのある羊羹とはまったく違いました。
そして薄茶のお抹茶。苦くないです!むしろ甘いです。三口半で飲んでって言われたけど、勿体ないくらいおいしゅうございました。
お砂糖やミルクは入ってないはずなのに甘みを感じで美味しい。
お抹茶ってなんて美味しいのだろう…
落雁と濃茶
薄茶の次に濃茶も出して頂けるとの事で、そちらも頂くことになりました。
濃茶には、栗の落雁がお茶菓子として出されました。
私のラクガンのイメージは、お仏壇に乗っている菊の形をしたお砂糖の塊。
子供のころにかじってみたけど、ただ甘いだけだった。←のちに母に見つかり叱られる。
ですがココで頂いた落雁はまったくの別物でした。
まず食感が違います!サックとして、ホロホロホロって感じです。
口当たりも滑らかでほんのり栗の甘みがあって…大変美味しゅうございます!!
濃茶は、薄茶に比べると重みがありました。トロトロしてる感じです。
先生が点てて下さるお茶は美味しいです。が、この美味しさを出せるにかなりの修行が必要みたいです。
またお茶の正解は一期一会。まったく同じものには出会えないそうです。
その時を大切にとの事でした。
体験を終えたお嬢さま
茶道教室の体験を通してたくさんの知らないことを学べてとても楽しかったです。
出来ることなら教室に通い、もっともっとお嬢さま力を高めたいと思いました。
ですが、お友達の教室は私が通うには遠すぎて断念。
とはいえ茶道熱がメラメラと燃え上がっていたので、茶筅、茶杓、器、お抹茶を買いそろえて、自宅で真似事をしていました。
点て方はネットなどで調べて、それっぽくやっていました。
自分では美味しいと思えるお茶も点てられてようになり、お嬢さま志向・茶道編は一旦終結するのでした。